らっく!!

「話くらい聞けって!!」


「嫌っ!!」


振り払おうとしたが敵わなかった。


もうどうしようもなくて大人しく腕を下ろした。


憤りと虚しさで胸が埋め尽くされる。


「どうしてぇ…っ…!?今更…っ…!!」


どうして…?


今になってそんなこと言うの…っ…?


信じられるはずないじゃない…っ!!


私はポロポロと泣き出してしまった。


「美弦…お願いだから泣かないで…?」


「触らないでっ!!」


涙を拭ってくれようとする紘一さんの手を払いのける。


紘一さんの優しかった顔が悲しそうに歪んだ。


その顔に少しだけ罪悪感を感じながらも我慢することは出来なかった。


「お母さんがどれだけ苦しんだか知ってますか!?」


あなたは何も知らない…っ…!!


日に日に弱っていくお母さんを目の前にして、私がどれだけ自分の無力さを嘆いたか…。


あと数日早かったら…。


そうしたらお母さんだって…っ…!!

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