らっく!!
美弦どこだっ!?
俺は走り続けていた。
美弦がいなくなって2時間が経っている。
もし何かあったら俺は悔やんでも悔やみきれないだろう。
美弦…だけなんだ… 。
8歳の時に高屋家に来てから俺の人生は変わってしまった。
いつもついてまわるのは高屋の名前だった。
匡人も紘一さんさえも結局は俺と高屋家を切り離して考えることはない。
美弦だけなんだ―…。
こんなちっぽけな俺を好きだと言ってくれたのは―…。
足掻いていた俺に手を差し伸べてくれたのは―…。
人が離れていくのはもう嫌なんだ…。
だから誰にも近づいて欲しくなかった。
距離をとっていた。
ても美弦にだけはそばにいて欲しいんだ。
俺が…高屋の名前が美弦を傷つけてしまうこともわかっているつもりだ。
側にいて欲しいのも単なる俺のわがままだ。
だから…美弦、俺にだけは―…。