らっく!!
「愁っ!?下ろしてっ!!」
美弦は俺から逃れようと焦って体を捩る。
下ろすわけないだろ?
「やだね。暴れんなよ?行くぞ」
俺は大原と匡人を外に促した―…。
「ねぇ愁…重いでしょ?下ろして?」
美弦はチラッと後ろを歩く2人を気にする。
この期に及んでまだ恥ずかしいのか…。
「重くない。ってか軽いよ?わかったら大人しくしてろよ」
「でも…」
尚も抵抗する美弦に俺は続けた。
「美弦…弱音吐いたっていいんだ。全然平気じゃないのに大丈夫って言ったり、ホントは腰が抜けてるのに無理やり立ち上がろうとしたり…そっちの方が余計心配するだろ?」
美弦は照れたように慌てて顔を伏せた。
「どうしてわかったの…?腰が抜けてたこと…」
自覚ないんだな。
「美弦はわかりやすいんだよ。ホントは怖かったんだろ?手が震えてた」
美弦は目を丸くした。
そして気まずそうに俺から視線を逸らす。
俺は美弦を抱える腕に力をこめた。