らっく!!


「ホントはね…すごく怖かった…愁が来てくれなかったらって思うと…」


声が徐々に震えていく。


居たたまれない想いになって俺は美弦の頭を撫でた。


「それから…?」


「嫌がらせされてる時も…辛くて…苦しくて…怖かった…怖かったよ…っ…!!」


美弦の声は掠れて最後の方はもう声になっていなかった。


「怖かったよな…もう…大丈夫―…」


俺は頷いて、泣き出す美弦を抱きしめることしか出来なかった。


俺に何が出来るのだろう?


美弦はこの小さい体で身に受けた幸運も不幸も抱えこんでいる。


どれだけ不安で心細かったのだろうか?


小刻みに震える体が堪らなく愛しくてずっと抱きしめていたかった。


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