らっく!!


「ちょっと離してよっ!!横暴!!」


腕を首にまわされ大原は匡人に引っ張られていた。


「うっせえな…俺の言うことは絶対なんだよ。わかったら行くぞ」


「いやあぁぁぁっ!!」


必死の抵抗も虚しく大原は強制的に連行された。


「匡人先輩ってあんな人だったんだ…」


事態をやっと把握できたのか美弦がポロッと洩らす。


「あいつ、昔から外面だけは良かったからな」


美弦の前だと割と素がでてたと思うけどな…?


今まで気づかなかったのか…?


「凪ちゃんそっくり…」


「……そうだな…」


裏表の激しい友人を持つもの同士、これからも苦労しそうだ。


「俺達も行くか」


「そうだね…」


俺は美弦の手をとり歩き出した。


美弦―…


ずっと側にいてくれ―…


俺はこの手を離さないよ―…。



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