らっく!!
第五章

幸運の意味



「凪ちゃんそれ何?」


凪ちゃんは机の上にある紙とさっきからにらめっこをしていた。


「これ?文化祭当日の進行表だけど…?」


「文化祭っ!?」


この学校にそんな行事があったんだ…。


言われてみればもう秋。


文化祭の季節だった。


「2週間後じゃない…。知らなかったの…?」


「うん」


当たり前のように頷く私に凪ちゃんは心底呆れていた。


文化祭かあ…楽しみだなあ。


みんなで準備して…わいわい騒いで…。


クラスで団結なんて初めてじゃないかなあ?


私がウキウキしていると凪ちゃんは机の上のファイルをパタンと閉じた。


「まあ私達がすることなんてないけどね」


「えっそうなの!?」


私の夢はあっさりと打ち砕かれた。


「ここをどこだと思ってんの?お坊ちゃんとお嬢さまがわざわざ準備なんてするわけないじゃん。全部専門の業者を雇うのよ」


さっさすが…。


庶民とはひと味違う…。


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