らっく!!
第六章

予感




「今すぐうちまで来てっ!!」


ブツッという音とともに会話が打ち切られた。


私は携帯を見ながら呆気にとられていた。


電話を突然切りやがったのはもちろん、美弦。


うーん―…。


これはまたなにかあったのかしら?


っつーかあったに決まってんでしょ!?


これが他の奴だったら怒り狂ってるところだ。


私は仕方なくコートを羽織り、マフラーを首に巻きつけた。


ったく何なのよっ!?


あんな切り方されたら気になるっつーのっ!!


私は憂さを晴らすように階段をドタドタと降り一階にいるくそガキども(弟とも言うわね)に言った。


「出掛けてくる」


外はこの冬一番の寒さだった。


「さむっ!!」


身震いをしながら手をポケットに突っ込み、駅に向かって歩きだす。


外は強風。大荒れの天気。


きらびやかな街にはクリスマスのイルミネーションに溢れていた。


まあ、クリスマスなんて私には関係ないけどね。


店頭の気合の入った電飾には見向きもせずにさっさと足を進める。


うー…寒いっ…。


首をすくめてマフラーの温もりに縋る。


実は寒さにはめっぽう弱い。


早く着かなきゃ寒さで死んでしまう…。


一刻も早く暖房の恩恵に与りたい。


電車で30分もすれば美弦の家に着くはずだ。


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