らっく!!
「あんたの間抜け面を見た後じゃ信用できないわね。“愁に会いたい~”って顔してるわよ?」
うっ!!図星だ…。
「紘一さんもそれが分かってて私をよこしたのよ」
凪ちゃんは親バカもいいところよねっと声を上げて笑う。
あーもう!!
紘一さんのバカ…!!
何でよりによって凪ちゃんに頼むのよぉ…。
「まあ、とんだ無駄足だったけどねー」
よしよしとまるで犬のように頭を撫でられる。
私はふてくされて凪ちゃんからそっぽを向いた。
「一緒にいたくても今日は会議があるからって言ってたんだもん…」
クッションをぎゅっと握りしめる。
忙しそうする愁にもっと一緒にいたいなんて言えない。
そのせいもあって今日は言いつけより早く帰ってきたのだ。
はあっとため息をついていると凪ちゃんの顔がずいっと目の前に迫っていた。
「昨日はどうだった?ねぇ、高屋先輩ってやっぱり上手い?」
興味津々で尋ねる様子に軽く首を捻る。
「何が?」
「バカね~」
凪ちゃんはケラケラと笑って私の手からクッションを取り上げた。
「エッチに決まってんじゃん」
ポスッと私の顔に凪ちゃんの投げたクッションが当たった。
ずり落ちていくクッション。
動き出す思考。