らっく!!



「あっ、メールだ」


チェストの上に置いてある携帯がチカチカと光っていた。


私はすぐさま携帯を手に取る。


「高屋先輩?」


「うんっ!!」


「なんだって?」


ちゃっかりクッキーなんか摘んでる凪ちゃんにニコニコしながら言ってあげる。


「しばらく会えないけど浮気すんなだって」


凪ちゃんの表情が苦虫を噛み潰したように険しくなる。


「私…砂吐きそう…」


幸せオーラにあてられた凪ちゃんはクッキーを見つめながらボンヤリと呟いた。


「浮気なんてしないのに~」


ふふっ。顔が緩んじゃう。


「もう勝手にして…」


呆れた凪ちゃんは私のベッドにぐったりと倒れ込んだ。






浮かれていた私は少しも気がつかなかった。


この時すでに私達の運命は回りだしていたことに…。


この日から愁からの連絡がプッツリと途絶えた。


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