らっく!!



「い…ま…なんて…?」


信じられなくてもう1度聞き返す。


「美弦…別れよう…」


愁の口からでた言葉は私の聞き間違いなんかじゃなかった。


「なっ…んで…?」


自分がどうやって声を発しているのかもわからない。


足が震えて体が強張る。


「…もう無理。うんざりなんだ」


“うんざりなんだ”


頭の中に響いて離れない。


私の足元だけ地面がなくなったみたい。


こんなにも不安定だったっけ…?


「…っ私のこと…嫌いに…っ…なったの…?」


喉がカラカラに渇いて上手く言葉が出てこない。


信じられなくて、すべて夢だって思いたかった。


お願い否定して…っ…。


全部冗談だよっていつもみたいに笑ってよ。


そうしたら私も笑って許してあげられる。


そんな期待も…。


「…嫌いになった」


残酷な一言ですぐに裏切られる。


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