らっく!!
「美弦っ!!」
愁が…戻ってきたのかと思った。
「美弦っ!!どうしたのっ!?紘一さん心配して私に電話してきたんだよ!!」
私の元に来たのは愁ではなく凪ちゃんだった。
「…凪…ちゃん…」
だめ…もう泣きそう…。
凪ちゃんは座り込んでいた私を立ち上がらせて砂を払った。
「もうっ!!心配かけないでよっ!!」
当たり前の凪ちゃんの叱咤が今はひどく痛い。
「な…ぎ…ちゃん…。わ…たし…わた…し…っ…」
視界が滲んでいく。
こんな風に当たり前だった世界が変わっていくのかな…?
「美弦っ聞いてんの!?」
凪ちゃんが私の顔を覗きこむ。
「…愁と…別れたの…」
そう言うと凪ちゃんの表情が見る見るうちに変わっていった。
「…まさか…冗談でしょ…?」
私がとぼけていると思っているのか凪ちゃんの口調には微かな笑いが含まれていた。
「冗談なんかじゃない…!!うんざりなんだって…っ…き…嫌いになったって…っ!!」
もう誰でもよかった。