らっく!!



「ねえ…美弦。これからどうするつもり…?」


お昼を食べていると凪ちゃんはおもむろに口を開いた。


食事くらいは人目を気にせずゆっくり食べたいと屋上までやってきた。


日差しは暖かく、風は少ない。


その中で凪ちゃんの声はくっきりと澄んで聞こえた。


「どうするって…?」


「高屋先輩のこと…」


私はゆっくりと箸を置いた。


正直言ってまだ心の整理がつかない。


あんなに好きだったから…。


「私が言うのもなんだけど…」


凪ちゃんは言いづらそうに私から目を逸らしながら言う。


「忘れたら…?男は高屋先輩ひとりじゃないんだよ?」


問いかけられた言葉は私の心に小さな波紋を作る。


わす…れる…。


それはすごく都合のよいことに思えた。


この想いも

愁の笑った顔も

あの温もりも

すべて忘れられたら楽になれる。




でも…。





それでも…私は…。



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