らっく!!


紘一さんは私が見ているのに気づきヒラヒラと手を振ってくる。


私もつられて手を振り返す…ってそうじゃなくて!!


何でここにいるの!?


振っていた手を慌てて戻し、紘一さんから目を逸らす。


もお…なんでいるのよぉ…!!


紘一さんはそんな私の心を知ってか知らずか終止、ニコニコしていた。


ああ…心臓に悪いなあ…。


お願いだから何も起こりませんようにっっ!!!


紘一さんの突き刺すような視線を浴びながら私は必死になって神様に頼んだのだった―…。






神様、ありがとう…。


いないと思いかけた神様に心の中で感謝を述べる。


入学式は滞りなく終わった。


よかった…!!


ドッと疲労が押し寄せ、校庭の隅のほうで休憩していると後ろからポンッと肩を叩かれた。

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