らっく!!
「だから余計に美弦にはもらって欲しいんだ」
そう言って紘一さんは私の首にペンダントをつけた。
「うんっ!!可愛いっ!!」
紘一さんの満足げな声に私も微かに笑みが零れる。
紘一さんは私の頭を撫でながら続けた。
「これは約束だよ。美弦をこれからも守っていくって約束」
「紘一さん…?」
「愁にはもう…任せられないからな…」
私はハッと息を呑んだ。
知って…たんだ―…。
私と愁が別れたこと―…。
「あり…がと…大事にするねっ!!」
私は紘一さんにとびきりの笑顔を向けた。
紘一さんにお礼を言ってリビングを後にする。
そして真っ直ぐ自室に駆け込んだ。
バタンと後ろ手に扉を閉めてそのままズルズルと崩れ落ちた。
何で離れようなんて思ったんだろう…?
ちゃんと見てくれていたのに。
必要としてくれているのに。
自分のことばかり考えて紘一さんの気持ちを踏みにじろうとしていた。
恥ずかしかった。
逃げておしまいにしようとしていた自分が。
どこまでも自分勝手な自分が恥ずかしかった。
強くなろう。
紘一さんが勇気をくれた。
逃げない。
立ち向かえ。
私を受け入れてくれたのは愁だけじゃない。
立ち向かえ―…。