らっく!!
「ふざけんなっ!!」
逆上し私の胸ぐらをつかんで殴ろうとする。
「待て」
それを制したのはやはり白石だった。
「ふーん…いい度胸してんな…。さすが高梨家の女…」
白石は私の全身を舐めまわすように見た。
全身の毛が逆立つ。
気持ち悪い…。
「おいっ!!白石っ!!」
中村は白石の視線の意味に気づいたようだ。
「興味ないか?高屋愁の女だったんだろ?」
「確かに…」
渡がそれに賛同する。
私はその様子をぼんやりと見ていた。
こんな時でも愁の名前を聞くのかと彼の有名人振りに少し感心した。
どうやら3人の意見は一致したらしい。
「大人しくしろよ?」
白石がそう言って私を床に押し倒した。
ビリビリとブラウスが破られ、ボタンが弾け飛ぶ。
あっという間に小さい胸が露わになった。
それを私はどこか遠くの出来事のように傍観していた。
頭のどこかが冷静でひどく現実味がなかった。
何も感じない。
…愁が同じように触れたときはあんなにドキドキしたのに。
あの幸せで満ち足りた想いは今はどこに行ってしまったのだろう。
戸惑う心が悲鳴を上げていて…苦しい。