らっく!!
「いつからだ…?いつから美弦は脅されていたんだ?」
紘一さんが引き絞るように尋ねた。
「まだそこまでは…」
「そうか…」
紘一さんの深いため息が聞こえた。
「悔しいっ…」
私は思わず口に出していた。
悔しくてたまらない。
私が一番そばにいたのに…何も気づかなかった。
美弦はひとりで悩んで、苦しんで。
肝心な時に力になれなくて。
「くや…しいっ…」
悔しすぎて唇を噛み締めた。
自然と流れ出る涙を拭うこともしなかった。
久しぶりに泣いた気がする。
悲しくて泣くのとは違う。
悔し涙なんて初めてかもしれない。
「大原…お前が泣くなよ…」
会長の言葉も聞こえない。
「美弦の体…見えない所に一杯、痣があった。1日や2日でつくもんじゃないっ!!きっと…ずっと前から…っ…」
なんで気づかなかったの?
精一杯の美弦のSOSを私は見過ごしてたの?