らっく!!



「大原でも泣くんだな…」


ふたりで取り残されると会長はポツリと呟いた。


「何よっ!!文句あるっ!?」


まるで私が血も涙もない人間のように言われてかあっと頭に血が上る。


「別に…確認しただけ」


会長はさして気にもせずいつものようなポーカーフェイス。


くっそうっ!!


ムカつくっ!!


私だってあんたにだけは見せたくなかったわっ!!


「泣きたい時に泣いて何が悪いんですかっ!!」


こうなったら開き直ってやるっ!!


「別に…泣いてる時のほうが大人しくてよかったなぁ…って思っただけ」


余計ムカつく…っ!!


会長に見えないように拳を握りしめる。


今、この場に包丁があったら間違いなく刺されてるわよ?あんた。


そうしないのは私が思慮分別のある大人だからね!!


「これからどうします?」


怒りを抑えながら会長の出方を待つ。


「お前は帰れ。まともに寝てないんだろ?」


私は会長の顔をアホみたいに口を開けながら見上げた。


会長からそんな思いやり溢れる言葉がでるなんて…。


信じられないっ!!


明日は雨?それとも嵐か!?


誰か別人が成り代わってるんじゃ…?


不審げに見つめていると会長は呆れたように言った。


< 350 / 390 >

この作品をシェア

pagetop