らっく!!
向き合う未来
「ん…」
陽の光が眩しくてそっと目を開けた。
瞼が重くて仕方がない。
原因は分かりきっている。
…泣き過ぎた。
「お腹空いた…」
人間の体は不思議だ。
体中の水分が出てしまうんじゃないかと思うくらい泣いたのに数時間後にはお腹が空いている。
悲しくて仕方ないのに悲しすぎて死ぬこともない。
だるい体を起こし時計を見ると12時をまわったところだった。
お腹が空くはずだ。
かれこれ24時間何も食べてない。
ハアっと溜め息をついて再びベッドに横になる。
目を瞑って思い出すのは愁の温もり。
眠っている間中、幸せな夢を見ていた気がする―…。
愁が隣にいる夢。
…都合が良すぎる夢。
そんなことをうつらうつら考えているとドアからノックの音が聞こえた。
「はい」
返事をするとガチャッとドアが開き、紘一さんが顔を出した。