らっく!!


ちなみに高梨美弦じゃなくて佐崎美弦。


これだけは紘一さんに納得してもらった。


隠し子だってバレて紘一さんに迷惑かけるのも誰かに白い目で見られるのも嫌だった。


私の席は窓から二番目の一番後ろの席だった。


自分の席が見つかったことにホッとしふと隣を見る。


目が釘づけになった―…。





緩くウェーブがかかった長い髪。


肌は白く、目鼻立ちはくっきりとしていた。


教室にいるはずなのにそこだけ別世界のようだった。


頬杖をつき窓の外を見るその様子はまるで…


天使みたい―…。






「座らないの?」


しばらくボーっと見とれていると天使が話しかけてきた。


「座りますっ!!」


私は慌てて席についた。


顔が熱い…。


同い年なのに敬語って…


オーラが違うよ~!!



天使さんは不審者紛いの私の行動にクスクスと笑い出した。


笑われた…。


美人さんだと笑った顔まで可愛いよ…。


同じ女なのにどうしてこうも違うのか。


やっぱり神様はいないようだ。


「大原 凪です。これからよろしくね」


「あ…佐崎 美弦です」


お互いの自己紹介が済んだところで担任が入ってきた。


簡単な挨拶と授業の日程を配り本日は解散。


色んな不安はあるけれど、高校生活が始まりますっ!!


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