らっく!!


「はぁ…」


爽やか過ぎて気持ちのよい朝に似合わないため息が洩れる。


それもそのはず。


「佐崎さんはどこのご出身?こちらではあまりお名前をお聞きしませんけど?」


「はぁ…」


1ヶ月前までただの一般庶民でした。


「今度ご自宅に伺っても宜しいかしら?」


「それはちょっと…」


出来たら避けたい。


自宅にはあの人がいますから。


さっきから質問の嵐だな…。


隣の席をチラッと見ると私以上に人に囲まれてる大原さんがにこやかに応対していた。


この学校は所謂エスカレーター式らしく、幼稚舎から大学までほとんどメンバーが変わらない。


つまり何が言いたいかというと…。


「それで佐崎さんはどうしてこの学園に?」


高校から入学するなんて珍し過ぎて目立つってこと!!


< 37 / 390 >

この作品をシェア

pagetop