らっく!!
「愁…が…?」
やだ…なにかの冗談でしょ…?
笑いたくても顔が引きつる。
信じたくなかった。
「美弦、わかったの。なんで高屋先輩が突然別れを決意したのか!!」
凪ちゃんの悲痛な声が頭に響く。
理由?なにそれ?
愁は私が嫌になったから別れたんじゃないの…?
「わかんない…。全然わかんないよっ!!」
突然与えられた情報に私の頭の中は混乱していた。
「とにかく空港に行こう。話は車のなかでしよう…」
私は急いでパジャマから着替えた。
御守り代わりにテーブルにそのままになっていた指輪をつける。
愁…。
これで終わりじゃないよね…?
何度も何度も指輪に願いをこめる。
私の問いかけに答えるかのように指輪の輝きが増した気がした。
私達は家の前で待機していたタクシーに乗って空港へと向かった。
「…さっきのどういう意味なの…?」
私は押し黙ったまま一向に話を始めない凪ちゃんに自分から話を促した。
「美弦…全部…話すよ…」
凪ちゃんは大きく息を吸った。
「始まりは高屋夏輝が帰ってきた所からだったんだ」
凪ちゃんは淡々と言葉を紡ぎ出す。