らっく!!



「美弦…これ…なんだかわかる…?」


「シルバーリング…?」


凪ちゃんの手のひらにのっているのは間違いなく愁とおそろいのシルバーリングだった。


「会長からさっき預かってたきたの…。高屋先輩が美弦に渡して欲しいって言ってたんだって…」


もう捨てたのかと…思ってた…。


まだ私達は繋がっているの?


「ねえ…美弦?このシルバーリング、高屋先輩のものにしてはサイズが小さいと思わない?」


凪ちゃんは指輪を摘んで小さく笑った。


凪ちゃんの言葉を受けよくリングを観察する。


確かに愁のものしてはサイズが小さく、私のリングとサイズが同じくらいに思えた。


「雑誌か何かで見たんだけどね?これ内側に凹凸があるでしょ?あっ。美弦の指輪も貸して」


言われるがままに左手から指輪を抜き凪ちゃんに渡す。


一体何なんだろう?


ただ首を捻るしかなかった。


凪ちゃんは笑いながらひとりで満足げに頷いた。


「やっぱりね。美弦、これはね?ホントにふたつでひとつなんだよ。こうしてふたつ重ねると内側に文字がでてくる仕組みなんだよ?」


凪ちゃんはそうして重ねた指輪を私に渡してくれた。


ふたつ重なった指輪。


内側に刻まれた文字は―…。



< 376 / 390 >

この作品をシェア

pagetop