らっく!!
ドクンと俺の心臓が一際高く鳴った。
頭ではわかっているんだ。
このまま一緒にいたら美弦を傷つける。
でも俺は―…。
「美弦―…」
俺は美弦をそっと抱き寄せた。
温かい―…。
「俺…美弦をきっと傷つける…」
俺は更に腕に力を込めた。
きっとこれから先、どういう形かは分からないけど美弦を傷つけてしまうかもしれない。
「それでもいい…愁と一緒なら…」
美弦がぎゅっと俺の服を握る。
その仕草に我慢していたものが溢れ出した。
「…愛してる…」
美弦の耳元でそっと囁く。
やっと伝えることができた―…。
この言葉を伝えるのに随分時間がかかった。
俺は美弦と出会えてよかった。
何十億といるこの世界で君と出会えた幸運。
俺はこの先もずっと大事にしていきたい。
腕の中にいる美弦をもう絶対に離さない。
俺はある結論に達していた。