らっく!!
第二章
大原凪
3…
2…
1…
キーンコーンカンコーン♪
よしっ!!
号令が終わると同時にお弁当をひっつかんで走り出す。
もちろん行き先は中庭!!
「今日も俺の勝ちだね」
ハアハアと息を切らす私に愁先輩が勝ち誇った笑みを洩らす。
「ハアハア…ずるっ…2年生の方が校舎…ハアッ…近いじゃないですか…」
膝に手をつき、乱れた呼吸を整える。
無理っ…!!
うちの高校は校舎が1年、2年、3年と分かれており中庭は2年と3年の校舎の間にある。
つまり1年の校舎は中庭から一番遠い。
「細かいことは気にしない」
先輩は勝手に私のお弁当を広げ、中からお目当てのおかずを見つけ出す。
ああ…!!エビフライが!!