らっく!!

しかし予想していた音はしなかった。


代わりに聞こえてきたのは…


「うっ…」


「いって…」


うめき声だった。


恐る恐る目を開く。


そこには…。


地面に転がる3人と1人冷めた表情の大原さん。


「調子にのんなよ…この屑がっ……!!」


大原さんの可愛らしい唇から吐き出されたのは地の底から這い出すようなものすごい低音だった。


もしかして…


大原さんがやったの!?


「すっげぇ見もの~」


目をパチクリさせてこの光景を疑う私とは対照的に先輩は楽しそうだ…。


3人組は変わり果てた大原さんの様子にビビリまくっていた。


お金持ちは人を見下すことには慣れてても見下されることには慣れてないみたい…。


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