らっく!!




「……それだけ……?」


先輩はたっぷり5分以上悩んだ後で私に聞き返してきた。


そんだけ?って…。


すっごく悩んだのにっ!!


「そんだけです…!!」


恥ずかしくて、恥ずかしくて死にそうだ。


先輩は私の言葉が信じられない様子だった。


でも次の瞬間、クスクスという笑い声とともに私の頭に先輩の大きな手が降ってきた。


「なんだよ~拗ねてたんだ!!」


愁先輩は私の頭をポンポンと叩いた。


……笑いを噛み殺しながら。


「わっ笑わないでくださいっ!!」


もうひどいよぉっ!!


まだ笑う先輩に拳を振り上げる。


「ごめんごめん!!美弦ちゃんがあまりにも可愛らしいからさ」


先輩の言葉に余計に顔が赤くなる。


先輩!!自分がかっこいいこと自覚してください!!


先輩に可愛いなんて言われたら大抵の女の子は倒れる…。


「もうっ!!からかわないでください!!」


恥ずかしくて死にそう…!!


「ごめんっ!!」


いつもみたいに会話が出来て嬉しい…。


私の心の中はそれだけでいっぱいだった―…。

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