らっく!!


「紘一さんから美弦ちゃんのこと聞いた時は驚いたんだ。俺と似たような状況でさ」


先輩は私の家まであと少しという所で話題を変えた。


「似たような状況…?」


まさか先輩も隠し子!?


私の心の声が聞こえたのか先輩は苦笑いした。


「隠し子じゃないよ。俺、母親の連れ子なんだよ」


「連れ子…」


ってことはお父さんとは血が繋がってないってことだよね…。


「俺が8歳の時に再婚したんだよ。あの時はまだガキでさ…。いきなりできた親父って存在に慣れなくて、逃げだしてばっかりだったんだよ」


昔を懐かしむ先輩は少し楽しそうだった。


「にっ逃げだすって?!」


先輩はニヤッと不敵に笑った。


「そのまんまの意味だよ。家抜け出して外で遊んでしょっちゅう怒られたなぁ…その時紘一さんにも会ったんだよ」


そんな小さい時から紘一さんと知り合いだったの…?


紘一さんの精神年齢って…。


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