らっく!!


「紘一さんは昔からあんな感じだからすぐに懐いてさ~。環境が変わって戸惑ってた俺のことを色々助けてくれたんだ」


そうなんだ…。


愁先輩は立ち止まり、私の目を見つめた。


「だから美弦ちゃんのこともほうっておけなかった―…」


先輩の瞳はとても真剣で嘘を言ってるようには見えなかった。


先輩…。


どうして…?


なんだか…心臓の鼓動が早い…。






「着いたよ」


先輩は何事もなかったかのようにニコリと笑った。


気づいた時には家の前だった。


もう少し話したかったかも…。


「ごめんね変な話して」


先輩は気まずそうに謝った。


「そんなことないです。先輩のことが知れて嬉しかったです…」


こういう時ばかり素直に言葉がでてくるから不思議―…。

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