らっく!!




「楽しそうだね」





凪ちゃんの表情がすぐさま変わった。


……よそいき用に。


「大原さんちょっといいかな…?」


「はい。なんですか、会長?」


さっきとは打って変わって天使スマイルでドアに向かう凪ちゃん。


ホントにスイッチの切り替えが早い…。


「予算案修正しなきゃいけないんだけど手伝ってくれないかな…?」


「ああ…それなら…」


私には全然わからないの内容だった。


それにしても…


美男美女でお似合いだなぁ…。


入学式のときには遠かったからよくわからなかったけど、確かにかっこいい…。


愁先輩とはまた違うかっこよさ。


クールで知的な感じ。


ふたりで書類を覗き込むところなんか絵になってる。


う~ん…どこが横暴なんだろう…?


「じゃあまた放課後よろしくね」


会長さんは用件が済んだのか凪ちゃんに笑いかけて去っていった。


「……最悪……」


凪ちゃんは会長さんの背中を見ながら恨めしそうに呟いた。


「えっ?なにが…?」


「また放課後来いってことでしょ!?今日は早く帰れるって思ってたのにいぃぃ!!」


凪ちゃんはムキーッと悔しそうに叫んだ―…。



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