真実の糸
「だけど……。おま「朱里。」」


私は、声がしたほうを向いた。


「翔さん……。」


「どうしたの?まだ、パーティー中だよ。もしかして、人酔いしちゃった?」


「おまえ、朱里は「そうなんです。いつもの人酔いです。丁度、近くにきみくんが居たから、着いてきてもらったの。」」


私は、きみくんの言葉をさいぎって言った。


「そっか、じゃぁ、もう帰ろ?」


「なんで?まだ、パーティー終わってないよ。主役がいなくなっちゃダメですよ。」


「パーティーよりも、おまえが大切だから。」


あの時と、同じだ。


翔さんに、一生残る傷をつくってしまった、あの日と。翔さんが私に言ってくれた言葉と同じだ……。


“朱里、怪我してない?大丈夫?”


“なんで、あんな無茶したの、翔ちゃん、死んじゃうかも知れなかったんだよ!!”


“だって……。なによりも朱里が大切だから”


「同じだぁ……。」


私がポツリと囁くと。


「え!なに?」


「うんうん。じゃぁ、帰りましょう。きみくん、ありがと、また、明日会社で。行きましょう。翔さん。」

私は、そうきみくんに言い、翔さんに肩を抱えられて、自分のマンション帰った。


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