真実の糸
「翔ちゃん!翔ちゃん!」


水中から出たとき、私の目に飛び込んできたのは、首から血を流す翔さんの姿だった。


その時は、きみくんがお父様達を呼んですぐに病院に行った、お陰で、命に別状はなかった。


でも、翔さんには、一生のこってしまう、傷が出来てしまった。


私のせいで……。


もし、あの時、お父様の言い付けを守って、岩場に行かなかったら……


翔さんは、傷をつくることもなかった。


すべて、私のせいで……。


だから、私は、翔ちゃんを翔さんと呼び方に変えて


敬語をつかい


きみくんへの思いを封印した。


すべて、10歳の自分が犯してしまった、過ちを償うため。


自己満足でもいい、翔さんの役に立つなら


私は……。


自分に嘘をつく。


それが自分の首を絞めるかとになっても。


私は、嘘をつき続ける。


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