Bar GRANT
俺は、打ち上げでの定位置となっているいちばん端の席でビールを飲みながら、全体を見渡した。
ちょうど対角線にあたる席にNAOがいる。
関係者が次々と、NAOとグラスを合わせていた。
見慣れた光景だ。
俺は今まで、そういうこまめな付き合いが嫌いで、全部ほかのメンバーに任せてきた。
でも今日くらいは…―
「お疲れさまです、今日はありがとうございました」
NAOを囲む輪に加わって頭を下げると、そこにいた全員が目を丸くした。