Bar GRANT
――
「いっててて…」
変な体勢で眠ったせいで、首やら肩がミシミシ音を立てていた。
ネットカフェを出ると世間はランチタイム真っ只中で、思いのほか時間が経っていたことに驚く。
「…どうりで延長料金が高かったわけだ」
俺は、とりあえず自宅に戻り、しんと静まり返った部屋によれよれの服を脱ぎ捨て、熱いシャワーを浴びた。
すると、ほんの少し体の痛みが和らいだ気がした。
だけどシャワーの湯は、心の痛みまで流してはくれなかった。