Bar GRANT



あの頃はメンバーもスタッフも意気揚々としていた。



気持ちはひとつにまとまっていて、ゴールデンタイムの歌番組に出演したこともある。



とりわけレコーディングは、ワイワイ賑やかで楽しかった。



不仲なんて言葉がこの世に存在していることすら、意識したことはなかった。



「でも、その後に繋げることができなかったんだ」



俗に言う、一発屋。



それを認めたくなくて、現実から目を背けているうちに、いつしか自分と世間の感覚にズレが生じていた。




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