Bar GRANT



会場を出ると、出待ちのファンが俺を甲高い歓声で迎えてくれた。



先頭で待っていた女の子が、制止するスタッフの隙間から手を伸ばしていた。



俺は、その手に握られていた小さな花束を、



「ありがとう」



と受け取った。



それを見た他の女の子たちが、悲鳴のような凄まじい叫び声をあげる。



当の花束をくれた彼女は、顔を真っ赤にして呆然としていた。




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