Bar GRANT
ひっきりなしに話し続けるマネージャーの声をBGMに、俺は、車窓から見える都会の景色を眺めていた。
そのとき、メール受信を知らせる携帯のバイブが震えた。
メールを読んで笑みを浮かべた俺を、マネージャーは見逃さなかった。
「誰からですか?まさか恋人でもできましたか?!」
「何でもねーよ」
覗き見ようとするマネージャーの頭を小突く。
パタンと携帯を閉じて、俺はまた、視線を窓の外に移した。