Bar GRANT
彼女たちは当然ながら、突然話しかけてきた見知らぬ男に警戒心をむき出しにした。
「な、なに?てか、誰?」
「あ、急にすいません、会話が聞こえてきて、気になったもので…」
俺は出来るだけ柔らかい物腰で、言葉を選んだ。
「最近ちょっと良くないことがあったので、そのバーに何かパワーがあるなら、俺もあやかりたいなぁ、と」
パワーがあるなら、まで言ったところで、3人が目を合わせた。
そしてニット帽が俺の目を覗き込んで小さく笑った。