Bar GRANT
彼女たちに会った翌週の土曜日、俺は書いてもらった地図を頼りに、バーがあるという場所までやって来た。
「ここか…」
とりわけ珍しい場所でもなく、明治神宮前駅からすぐの、若者が多く行き交う路地だった。
俺は、そんなバーの存在を信じているわけではない。
だけどあの臼井圭司も、人気を得るためにそこに行ったと彼女たちは言った。
それが事実なら、願いが叶うというのは単なる噂ではなさそうだ。
それなら、俺のこの恨みも…―