Bar GRANT



トマトの甘味と酸味が爽やかに口の中に広がる。



果実とはまた違う、野菜の青臭い香りも好きだった。



酔った体に染み渡る、自然…の……味……。



「…うっ」



なんだ、これは。



息が…苦しい。



「ううっ…み、ず…水を…」



俺は胸を押さえ、カウンターの向こうに手を伸ばした。





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