Bar GRANT
俺は、みんなが打ち上げ会場に向かった後、ひとり残ってステージの中央に立った。
「……せっまい会場」
キャパが1000人にも満たない小さなライブホール。
俺たちのバンド、skaalが全国を回るには、これくらいの規模でじゅうぶんすぎるほどだった。
スポットライトも歓声も、たかが知れている。
それでも俺は、ライブの空気が好きで、諦めたくなかった。
このままがんばって活動を続けていればいつかは、と夢を見た。