愛しの black panther

───…
──…


部屋の外が騒がしくなりだすのを感じて、あたしの緊張はピークに達しようとしていた。



「どうした、気分でもわりーか?」



「あっ…」



龍也が部屋にきたことに、あたしは気が付かなかったらしい。



「顔色わりー」



「そ…うかな?」



龍也にそう言われ、あたしは自分の頬を撫でる。



緊張からか指先が冷たくなり、心なしか気分が悪い。



「マジでお前大丈夫か?」



いつの間にか目の前に立った龍也が、すっと手を伸ばしあたしに触れようとした時だった。



─バンッ



勢いよく扉は開かれた。



「来たよ"ライズ"が…ってどうしたの?」



あたしに手を伸ばしかけて固まる龍也と、それを見つめるあたしを見て葵がキョトンとした顔をしていた。
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