愛しの black panther

ぐいっと涙を拭うと、あたしは口を開いた。



「でもっ…本当にいいのかな…」



「何がだ?」



「あたしは…″ライズ″を選んだんだよ?″アッシュ″のみんなに守ってなんてもらえないよ…そんな資格ない」



「ばぁーか」と、龍也はあたしの頭をポンと撫でた。



「資格なんて関係ねぇ…俺達はただ心のままに動くだけだ…だから心配すんな」



「そうだよ…あやめさんは何も心配しなくていいの!俺達は本当に仁の思いを知って欲しかっただけなんだから」



泣きそうな顔で頷いたあたしに、「かえって悩ませちゃった?」と、葵が苦笑する。



ふるふると首を横に振るあたし。



「そう?ならいいけど…俺達も居るって事を忘れないで…時には頼ってほしいんだ」



「何かあったら直ぐに言え…」



龍也がすっと顔を豪に向ける。



「アイツからお前を奪いに行ってやるよ」



くっと笑い、挑戦的な視線を豪にぶつける龍也。



上等だ言わんばかりに、豪がふっと笑みを浮かべた。
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