愛しの black panther
「じゃあねあやめさん…豪…彼女を頼んだよ」
葵が心配そうな表情をする。
「あぁわかってる」
そう言って、豪はあたしの肩を抱き寄せる。
「またな…あやめ」
「いつでもおいで?あやめさんなら大歓迎だからね」
「うん…ありがとう!龍也、葵、本当にありがとう…じゃあ…またね!!」
″さよなら″は好きじゃない。
だから″またね″?龍也、葵、″アッシュ″のみんな…仁兄。
「おう…またな」
「またね」
豪に手を引かれ、いつもの高級車に乗り込む。
″アッシュ″のみんなに見送られ、あたし達は倉庫を後にした。
車が走り出しふと何かを感じたあたしは、窓から思わず身を乗り出した。
「どうした?」
「ん…何でもない!またねー!!」
あたしはそう言って大きく手を振った。
あたしには見えたよ、先頭で悠々と構えふっと微笑んだ仁兄の姿が…。