愛しの black panther

″ライズ″の溜まり場まで向かう間、あたし達はずっと手を繋いでいた。



豪が離さなかったから。



車内ではただ手を繋ぎ、寄り添って座っていただけだった。



時折見せる険しい表情…そんな豪の横顔を見つめ、あたしは思いを巡らせていた。



もしかして怒ってる?だよね…。



自分勝手な行動をとってしまって、怒らせたのは解っている。



豪やライズの事なんて考えてなかった。



変に考えて勝手に嫉妬して、困らせただけだ。



でも…今回の事であたしの知らなかった事や、みんなの思いを知る事ができた。



そして自分の気持ちも…



溜まり場に着いたらちゃんと謝ろう…そして伝えようあたしの気持ちを。



そんなことを考えながら、ぎゅっと固く握られた手を見つめていた。
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