愛しの black panther
嵐の前の静けさ
小さな小競り合いはあるものの、あれから暫くは穏やかな日々が続いていた。
「ねぇ海斗は?」
「今日は来ねー、けど心配すんな…」
溜まり場のいつもの部屋。
並んでソファーに座るあたしを引き寄せて、ポンと頭を撫でた。
その手を滑らせ頬を撫でると、そのまま髪へ差し込んで後頭部を押さえた。
漆黒の瞳に映るあたし。
見つめていれば、ゆっくりと近づく豪の顔。
唇と唇が触れる…。
寸前で扉は開いた。
──バンッ
「おーい!あやめちゃん…って…あ…わりっ…てか、ごめんなさいっ!!」
「わぁっ!ってぇ…んだよ…急に止まんなよ泰治!」
「げっ…泰治…土下座って…?あっ!ははーん♪」
土下座の泰治に、ぶつかり不機嫌な翔太、にやつく優斗。