愛しの black panther
「あやめちゃん…最近気になる事は何もない?」
暫くぶりに溜まり場に顔を出した海斗が、真面目な顔して聞くもんだから…
あたしは少しばかり心配になって眉をしかめた。
「や、何も無いならいいんだ…念のためね?」
「…ほんとに?」
じっと海斗の目を見つめるあたしに、「本当に」と何時もと変わらない笑顔で言った。
「ん、ならいいけど…何も無いよ?」
「そっか…でも気を付けて?何があるか解らないから」
解った?--優しい笑みを浮かべ、海斗はあたしの頭をポンと撫でた。
「…うん」
こくんと頷いたあたしを見て、安心したらしい海斗は、彼の定位置であるデスクに向かうとパソコンを開いた。
「あやめ…」
「……ぇ…?」
そんな海斗の姿を、ぼんやりと眺めていたあたしの頭を豪がわしゃわしゃと撫でる。