愛しの black panther

優しく頬を撫でる指先が気持ち良くて、あたしは思わず瞳を閉じた。



「あやめ…」



豪の甘い囁きに酔う。



「豪…」



そっと近づく2人の距離。



「はいストーップ」



「「…………」」



固まるあたしと、不機嫌な豪は、声の主へと顔を向けた。。



「…ん…だよ…翔太」



怒りを含んだ低い声色に、一瞬たじろいだ翔太が、豪とあたしを見ながら言う。



「い、いちゃいちゃすんならよそに行けよー!!」



ちきしょー!と叫んで"くぅーっ"と泣き真似をする。



「しょっ、翔太?」



「俺も女欲しい…」



ポツリ呟いて、ドサッとソファーにその身を預ける。



「…ちっ……」



小さな舌打ちが聞こえ、あたしは豪に顔を向けた。



不機嫌さマックス。
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