愛しの black panther
油断
「…今日一緒に買い物行かない?」
放課後…あたしに声を掛けたのは、クラスメートの未歩。
彼女とはこの学校に入学してから知り合った。
同じクラスになったあたし達は、席も近かった事もあり仲良くなったのだ。
「あたし渋谷未歩よろしく」
ロングの茶色い髪をふわりと巻き、優しげに微笑んだ未歩は、誰よりも大人っぽく見えた。
「んー…豪に聞いてみる」
「…ぁ…そ、だね…」
「ちょっと待ってて」
未歩の表情が一瞬曇ったような…何となく気になったが、"豪に聞いてみる"なんて言ったからかな?
「解った」
笑顔で答えた彼女に、やっぱり気のせいだったかな…?なんて思い携帯を取り出した。