愛しの black panther
『オレの知らねぇ奴と出かけるなんてダメだ』
いや、女の子だし!友達だし!
『オレも行く』
いや、目立つからあんた!!
そして…何とか"護衛つき"で、豪から許しをもらったあたしの前に、"にっ"と笑って立つ男。
まだ少し幼さの残る笑顔に似合わず、ガッシリとした体つき。
溜まり場で何度か目にした事がある。
「えーっと…」
「オレ琢磨って言います!あやめさんよろしくっす」
彼は頭を下げると"にっ"と笑った。
そうだ!"たくま"ってみんな呼んでたな?確か…同じ学校の一つ下だったっけ…。
「やっ、こちらこそよろしくだよ…それより琢磨君ごめんね?付き合わせちゃって」
「全然っすよ!オレの事は気にしないで下さい」
ね?とあたし達に言って少し離れた所に立った。
「あと、オレの事は琢磨って呼んで下さい」
そして彼はまた"にっ"と笑った。