愛しの black panther
「あっ!これ可愛い♪」
「どれどれ?きゃー本当可愛いー!」
――あたし達は、新しく出来たショッピングモールに来ていた。
きゃあきゃあ言って、店を見てまわるあたし達の後を、琢磨は黙ってついて来てくれていた。
申し訳無いなぁ…とチラリと琢磨に目をやれば、にっと笑って返す。
「何か悪かったかな…あたしが誘ったばっかりに…」
そう言って未歩は琢磨へと視線を移した。
「気にしないでよ…あたしのせいだし」
"ライズ"の事も豪との事も、未歩には話してある。
彼女はいつも、そんなあたしに気を使ってくれていた。
「あのさ…あやめ…あたし達は何があっても友達だから」
未歩はぎゅっとあたしの手を握った。